神言会は、1875年に聖アーノルド・ヤンセン神父によって創られた宣教修道会です。これまで百数十年の間、聖ヨゼフ・フライナーデメッツをはじめとする多くの宣教師を送り出してきました。
国際性・多文化性
神言会は、外国宣教をその主な目的として創られました。創立者、聖アーノルドはドイツ人ですが、宣教を開始した後かなり早い段階で宣教地における会員養成に取り組んできました。現在、世界70数カ国で宣教活動を行っていますが、ほとんど全ての国で邦人宣教師と外国人宣教師が共に働き、神の国をあかししています。たとえば、私たち日本管区では2015年現在、23カ国出身の約130名の宣教師たちが共に働いています。
神言会は、様々な国や地域出身の、異なる文化的背景を持つ会員同士が共に住むよう、意図的に多文化共同体を形成します。多文化の豊かさを通して、互いに学び合い、その実りを多様化が進む社会における宣教に生かしています。以下は、2015年現在神言会が活動している国です。
アフリカ・マダガスカルゾーン | アンゴラ、ボツワナ、ザンビア、ジンバブエ、DRコンゴ、ガーナ、ケニヤ、マダガスカル、モザンビーク、トーゴ、ベニン、南アフリカ、タンザニア、チャド、南スーダン |
アジア・パシフィックゾーン | オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、東ティモール、インド、台湾、香港、マカオ、日本、韓国、フィリピン、パプアニューギニア、タイ |
ヨーロッパゾーン | イタリア、ドイツ、オーストリア、クロアチア、オランダ、ベルギー、ポーランド、ウクライナ、スロバキア、チェコ、ハンガリー、セルビア、スイス、フランス、ルーマニア、モルドバ、アイルランド、イギリス、スペイン、ポルトガル、ベラルーシ、ロシア |
パン・アメリカゾーン | アルゼンチン、ボリヴィア、ブラジル、チリ、コロンビア、ヴェネズエラ、メキシコ、ニカラグア、パラグアイ、カナダ、アメリカ合衆国、パナマ、エクアドル、コスタリカ、キューバ、ジャマイカなどの西インド諸島諸国家 |
神言会のカリスマと宣教の方向性
神言会の宣教活動は何よりもまず、「全世界に行って福音を述べ伝えなさい」というイエスの派遣の言葉を実行することを目的とします。私たちは特に、キリストの良き知らせが十分に伝えられていない地域で働き、活動に際しては諸国、諸民族の宗教や文化に対して開かれた心と深い尊敬を持ち、対話のうちに互いに高めあいます。このような観点から、神言会の教育機関では人類学や宗教学の研究が活発になされています。
私たちは、教会司牧、教育活動、社会福祉などをはじめとする様々な分野で働いていますが、それぞれの場で特に以下の四つのことに関して重点的に取り組んでいます。
聖書使徒職 | 神言会という名の通り、神のみ言葉を述べ伝え、福音の道をあかしする |
正義と平和 | 貧しい人々・抑圧されている人々と連帯して歩み、福音に従って正義を促進する |
コミュニケーション | 愛を持って自身を捧げるという形で人々とコミュニケーションをとったイエスにならい、それぞれの文化背景を尊重し、かつとらわれない心で、人々との一致を目指す |
宣教意識の高揚 | 教会や、社会の様々な共同体の福音的な成熟、それぞれの場におけるリーダーの養成活動 |
神言会の霊性
神は愛神言会は創立者の模範に倣い、特に三位一体の神と、聖霊に対する信心を大切にしています。その精神には、私たちが三位一体の神を共同体の模範とし、「貞潔」、「清貧」、「従順」の三誓願によって神と固く結ばれ、その生活を通して神の国をあかししていくことができるように、また弟子たちが聖霊によって大胆に神の言葉を語ったように、私たちも聖霊の働きにより宣教活動に従事することができるように、という願いが込められています。
神言会の霊性と宣教的特徴がよく表れている、聖アーノルド・ヤンセンの祈りを紹介しましょう。
み言葉の光と聖霊の恵みによって
罪の暗闇と不信の夜は消え失せ、
イエスのみ心がすべての人の心の内に
生きますように。アーメン。